ペンと手帳

書いた文字を簡単に消すことのできるボールペン、PILOTの「フリクション」シリーズ。あなたはもう使っていますか?

「ボールペンなのに、字が消えてたら使いもんにならんだろうがい!」
「男は黙って、ゼブラ・ニューハード!」


ZEBRA ゼブラ ニューハード0.7 油性ボールペン 0.7mm 全4色 N-5200 【メール便可】

ババーーーン!うーん、マンダム(死語)

いや、確かに男らしくて好きですよ、ニューハード。清廉な修行僧の如きそのフォルム。ストイックを形にしたら、きっとこんな感じ。業務用といえば、今も昔もこれです。

「弘法筆を選ばず」とも申します。ニューハードできれいな字を書き続けられないのも、すべては書き手の力量の問題。

ペンのせいにするんじゃない。四の五の言わずにニューハード。そういう生き様、素敵だと思います。

ですけどね。そんな漢(おとこ)たちに「本当にそれがベストな選択ですか?」と、私は問いたい。「ニューハードが一番、ニューハードさえあれば」って、自分に嘘をついちゃいませんか?(誰もNHが一番だなんて言ってない)

ニューハードというのは、椅子に例えるならパイプ椅子。もしくは4畳半を照らす裸電球。変速機の無いママチャリだ。

肩ひじ張らなくてもいいんだよ。もう少し機能性の高い、使いやすいボールペンを使ったっていいじゃない。事務員だもの。

こすると消えるボールペン“フリクション”

かくいう事務リーダーの愛用ボールペンは、長いこと三菱鉛筆の「ユニボール・シグノ(極細0.38㎜)」です。


三菱鉛筆 ユニボール シグノ UM-151 極細 0.38mm ゲルインクボールペン 19本セット

黒と赤の替え芯をたっぷりと用意して、毎日使い倒してます。なめらかな書き心地、速乾性、耐光性。とてもバランスがよく使い勝手のよい、日々の仕事に欠かすことのできないゲルインクボールペンです。

フリクションの存在についてはもちろん知ってましたが、実を言うと、つい最近まで触ったことがありませんでした。率直に言って、使い道がわかりませんでしたし。なんとなく、食わず嫌いというか。

商品パッケージにも、公式サイトにもはっきりと書いてあるのが「証書類・宛名など消えてはいけないものには使用しないでください」という文言。

MX-2310F_20170728_155724

これでは落書きするのに使えるくらいで、あまり使い道はないんじゃないか?ましてや、仕事でお世話になることはないだろう…と、そう思ってたんですよね。

ところが最近、ひょんなことからフリクションボールのセットを手に入れた事務リーダー。実際に使ってみると…これがなかなかに便利!好き嫌い言わずに、なんでも食べなきゃいけないね。

とはいえ、やっぱり「長所ばかりではないなー」というのも実感としてあります。フリクションならではの弱点というのも、いくつかありました。

今回は実際にしばらくフリクションを使ってみた感想と、まわりで使っている人たちの「フリクションはこんな時に便利!素敵!」という使い方について、ご紹介したいと思います。

累計販売本数19億本!全世界で売れているフリクション

2007年の国内販売開始から今年で10周年。今では世界100ヵ国以上で販売され、2016年までにシリーズ累計“19億本(!)”を売り上げるという、爆発的ヒットを記録した事務用品。

一度味わったら最後、その便利さに病みつきの利用者があとを絶たないという革新的なボールペン。それがPAILOT(株式会社パイロットコーポレーション)の販売する「FRIXION BALL(フリクションボール)」です。


パイロットフリクションボールノック05 [10周年記念バージョン] LFBK23EFA-8C 8柄8本組み

“こすると消えるボールペン”として知られるフリクションボールは、その名にあるフリクション(=摩擦)の力によって、一度書いた文字を簡単に消すことのできるボールペンです。

ゲルインクボールペンの書き味はそのままに、シャープペンシルや鉛筆と同じ感覚で気軽に消すことができる。フリクションボールは“水性ゲルインキボールペン”なので、書き味が同じなのは当然なのですが。

ボールペンの存在意義そのものと言っても過言ではない「消えない」という重要な特性。それをバッサリと捨て去った、言ってみれば「“不完全な”ボールペン」であるフリクション。

それがここまで絶大な支持を得て、世界中で愛用されている理由。実際に使ってみて、初めてわかる良さもたくさんありました。フリクションの長所と、それを活かすための使い方はこれだ!

フリクションは”高機能なシャープペンシル”

と…フリクションの長所について語る、その前に。

まず初めに言っておきます。フリクションの比較対象となる筆記用具は“シャープペンシルや鉛筆”です。ボールペンではありません。

便利に使いこなしている人は、ボールペンとしてではなく“シャーペンや鉛筆の上位互換”として、フリクションを利用しているということです。

事務リーダーは、ここをはき違えていたんですね。そのために「ボールペンなのに字が消えるんじゃ、大事な書類に使えないやい!」などと、とんちんかんな文句をいっていたわけです。

公式さんも言っているように、契約書や領収書はもとより各種正式な書類については、これまで通り油性もしくはゲルインクのボールペンを使うべきです。そこにフリクションの入り込む余地はありません。

実際に、”書いた文字が消える”という特性を悪用した犯罪も多数発生しています。公文書偽造や業務記録、供述調書の改竄などなど。少し古いですが、日経新聞に参考となる記事が掲載されています。

消せるボールペン、不正相次ぐ 使用禁止も(2014/4/19付 日本経済新聞 電子版)

またベトナムなど一部の国や地域において、こういった状況を鑑み、フリクションボール自体の輸入禁止措置がとられた例もあるそうです。

参考サイト:ベトナム企業日記(2015/12/11 by kuraki様)

こういった事からも、フリクションを扱う上での正しい捉え方、フリクションの位置付けは「高機能なシャーペンや鉛筆である」と考えるのが無難かと思います。

それを踏まえたうえで、フリクションの長所についてみていきましょう。

フリクションの長所とその用途

主な長所は以下の4点です。

  1. (シャーペンや鉛筆に比べて)発色が鮮明である
  2. 芯が折れない
  3. 消しカスがでない
  4. 消した文字の復元ができる

それぞれの利点をみていきましょう。

発色が鮮明である

シャーペン(HB)との比較画像を見てもらえれば、文字の濃さの違いは明らかです。

濃さ比較

メモ書き程度なら、どちらでも大差はないかもしれません。しかし、その違いは“コピーした時やFAXした時”に大きく表れます。

シャーペンや鉛筆書きの文字・線はどうしても薄くなりがちです。フリクションはボールペンで書いたのと同程度の濃さがあるため、印刷した時にはその鮮明さにはっきりと差が出ます。

芯が折れない

特に筆圧の高い方にとって、意外と大きなポイントがこれ。当然ながら、フリクションは芯が折れてしまう心配がありません。その分、芯の交換の手間はいくらか少なくなるかも。

インクがなくなれば交換しなければいけない点ではシャーペンと変わりませんね。鉛筆削りが必要ない点でも両者は一緒です。

消しカスが出ない

フリクションでは、消しゴムを使いません。ペンの頭(シャーペンでいえば消しゴムの部分)に付いているラバーでこすると、その摩擦熱によって、書いた文字が消える仕組みになっています。

消しカスの処理を考えなくてもよいため、場所を気にすることなくガシガシ消すことができます。これ、思った以上にストレスから解放されるポイントです。

単に「消せる」だけではなく「消しカスを気にせずに消せる」というのは、大きなメリットだと思います。

ところで、シャーペンについてる消しゴム。昔に比べてだいぶ改善されたとはいえ、いまだに消しゴムとしての性能はいまいちな気がしませんか?きれいに消せた試しがない。

減りの早い消しゴムにするわけにもいかないし、技術的に難しいんでしょうね。余計に汚くなってしまうのが怖くて、よっぽどのピンチ以外で、シャーペン付属の消しゴムは使ってません。単に「消しゴムの形がいびつになるのがイヤ」というのもありますけど。

消した文字の復元ができる

これはメリットというより、消せることによるリスクの軽減ですね。

フリクションは約60℃以上の熱に反応して消える性質があります。付属のラバーでこすると65℃以上の摩擦熱が発生し、文字が消える仕組みです。

約60℃以上であれば摩擦熱でなくともインクは無色化してしまうため、生活の中で誤って熱に触れさせて、大切な筆跡を消してしまうこともあり得ます。

よく聞くのは「夏の車内に放置していてノートが真っ白になった」などですね。「キッチンに置いていたレシピが、鍋やオーブンなどの熱で消えてしまった」という話も聞いたことがあります。

そういったリスクに対しては、もう一つのフリクションインクの特性「-10℃以下で色が復元する(=消えた文字が元に戻る)」が役に立ちます。公式サイトによると、-20℃前後で完全に色が戻るそうです。

これを実現するためには、冷凍庫を利用します。

フリクションインクの復元実験

実際に、フリクションボールで書いた文字をラバーで消し、その後冷凍庫で冷やしてどうなるかを実験してみました。

定番の「コクヨ キャンパスノート」に、黒・赤・青の3色で試し書きした文字がこちらです。

試し書き

まずはラバーでこすって消してみます。書いてから数十秒程度で消したものです。

試し消し
消し途中
消えた

消えました。シャーペンに消しゴムをかけた程度にはきれいに消えます。間近で見てみると…

うっすらと

うっすらと筆跡が確認できます。筆圧による跡ともいえるので、力をかけずに書けば跡はもう少し薄くなると思います。また、インクが完全に乾いてから消した方が、よりきれいに消えるそうです(今回は書いてすぐ消しています)。

それでは、このノートを冷凍庫に入れてしばらく放置してみます。取り出してみると…

[30分後]
30分後
[さらに1時間後]
さらに1時間後

短時間の冷却でしたが、文字がはっきりと読める程度には復元できました。冷却時間についても、30分よりもその後1時間延長した方が、より効果が表れているのは確かです。

公式サイトでは、文字の復元のために「冷凍庫に一晩以上入れたままにする」ことを推奨しています。

この方法によって「消える前の状態に戻るとまでは言えない」というのが正直な感想です。ですが、少なくとも「誤って情報が失われてしまう」という事故は、これで十分にリカバリーできると思います。

フリクションで書いたものを“まとめて消す”方法

復元とは逆に、書いたものを一気に消したいという場合があります。

夜中に書いたラブレターを、翌朝に見返してみたら死にたくなった…いや、そういう経験も若気の至りあるあるですが、もうちょっと実用的な意味でね。

雑記ノートや電話用メモ帳など、一時の目的を果たしたら必要のなくなるものってありますよね。繰り返し解きたいドリル形式の問題集なども、まっさらの状態にできれば2周目にトライできます。

こんな時は、フリクションの“約60℃で消える特性”を利用して、まとめて消去してしまいましょう。例えばこんな方法が有効です。

・ドライヤーで温風をあてる

フリクション使いの熟練者の間では、これがもっともポピュラーな技みたいです。ドヤイヤーでガーーっと。職場でやるには、ちょっと勇気がいりますね。いや、デスクにドライヤーなんて置いてないか。

・車内に放置する

数々の悲劇や失敗を逆手に取った方法。夏のダッシュボードの上など、目玉焼きでも焼けそうなくらいですからね。外勤のタイミングで無駄なく消したいならこれ。

その他、アイロンやオーブン・鍋などの余熱といった、家事の中で発生する熱を利用した荒業を駆使している人も。くれぐれも事故や火事にはお気を付けて…

さて、いよいよフリクションの長所・特性をフルに活かした利用法を、次からご紹介していきます。

フリクションの長所を活かす使い道

例えばこんな使い道。

・会議やセミナー、取材、面談など、速記性が求められるメモ用に

シャーペンよりも視認性が高く、消しゴムを使っていられない場面でも重宝します。

・スケジュール帳や読書中のメモ用に

たびたび変更が起こりやすい予定表に最適。色つきペンは読書や勉強中の書き込みに向いています。テキストの紙質って、シャーペンだと書きづらい・見づらいものも多いですよね。

一方で、長期間の保存をしておきたいものには不向き。日記や帳簿用にはオススメできませんね。

・パズルや問題集など

クロスワードパズルやイラストロジックなど、雑誌に直接書き込むタイプのパズルにもオススメ。“一括消去”の技と組み合わせて、問題集の周回クリアも目指せます。

・FAX送信用書類への書き込み

事務職からみると、いまだにFAXはバリバリの現役。デザイン系の仕事なら図面のやりとりも多いと思いますが、シャーペンでは濃度が不十分。手書きする場合はペンを使うと思います。

例えば、受信したFAXに返事を書き込んで返信するような時。間違って記入してはいけないと、返信用に一部コピーしてから記入・返信することってありませんか?

FAXの特権で修正テープを使ってもいいのですが、その点もフリクションなら手軽に、そして気軽に書き込むことができます。

・図面やイラストの下書き用に

描線が見やすいのはもちろんですが、より効果が表れるのは清書・ペン入れした後。下書きをドヤイヤーで一気に消せるのが爽快!あまりの気持ちよさに、書いてる途中で消したくなる衝動と戦う人も…おいおい。

・チャコペンとして

事務リーダー自身は裁縫など不得手で、家庭科の授業以来チャコペンにはお世話になっていないのですが。うちの妻曰く、これ、すごく画期的らしいです。

ラバーでこするんじゃないですよ。布に目印や線を書き入れた跡が、アイロンがけで自然と、きれいさっぱり消えてしまいます。

従来のチャコペンに比べ、線が細く書きやすいというのも特筆すべき点ですね。

・・・・・

以上、実際に使ってみた・使っている人の話を聞いた、フリクションの効果的な使い方でした。意外な使い方はありましたか?

他にも便利な用途はいくつもありそうですね。ぜひコメントなどで共有してもらえると嬉しいです。

フリクションの弱点 改善期待ポイント

世の中、いいことばかりはありゃしない。使っていく中で、フリクションにも少なからず欠点があると感じましたので、いくつか挙げておきます。

重要書類はNG

なにかの拍子にサインが消えたり、改竄・悪用されたり…これは公式に非推奨とされている事項なので、欠点というのは違いますが。従来のボールペンの代用品にはならないよ、ということで。

黒の発色は若干薄い

描線比較がこちら(左:三菱鉛筆ユニボールシグノ、右:フリクションボール)。

フリクションとユニボール

弔事に使う“薄墨”とまではいきませんが、真っ黒とは言い難いレベルの濃さです。通常使用には問題ないですね。好みの問題です。

表示サイズよりも太めに出る

フリクションというよりも、ゲルインク全般の特徴かもしれません。表記のサイズよりも0.2㎜程度太目の感触です。“0.5”表記なら、実線は“0.7”くらいに見えます。

ちなみに、参考画像のペンはすべて“0.5㎜”のもので統一しています。太さに関しては、使っていく中で若干変化するかも。

インクの減りが早い

フリクション中毒者(失礼)にとって、一番の問題がこれでしょう。通常のボールペンに比べて、明らかにインクの減り方は早いです。特に3色入りなどのペンにおいて顕著。

替え芯で対応している愛用者は多いと思いますが、どうしてもコストの面では一般的なペンに比べて劣ります。これは費用面としての“コスト”という意味で、実用にあたっては“コスパ”で考えるべきでしょうけどね。

フリクションのパフォーマンス、性能面については、他に比べる対象がありません。他に“消せるペンがない”とは言いませんが、現状ではフリクションが頭一つ抜けていると思います。

ラバーには“カド”が無い

地味なところですが、付属のラバーについて。ラバーの先端は丸っこい形をしています。いわゆる“消しゴムのカド”に当たる部分がありません。

仮に、消しゴム単体の商品として考えた場合、カドがないのはダメでしょう。カドだらけの人気商品もあるくらいです。


ミッキー&フレンズ 消しゴムセット ディズニー夏祭り2017 カドケシ 縁日 お祭り 【東京ディズニーランド限定】

そもそもフリクションの用途として「そんなに細かい箇所まで消せるようにする必要があるのか?」と問われると、そこまでは求めていないんですけども。

いうなれば、メーカーさんにお願いしたい「もしも商品」の一つとして、“カドありラバー”があったら嬉しいな、という提案です。たとえばクリップの部分をカド的な機能にするとかね。

どんな商品にも、長短があるのは当たり前です。要は適材適所、使い分けをすればいいだけの話。フリクションを選ぶ際の参考にしていただければと思います。

私がフリクションを手に入れたきっかけ

最後に、事務リーダーがフリクションを手に入れた経緯(いきさつ)を少し。

その日の仕事を終えて帰ろうかという17時過ぎ。タイムカードを押しに戻ってきた現場の職人さんの一人が、なにやらニヤニヤしながら“ある物”を持ってきました。担当した現場の落成記念イベントの帰りだそうです。

「面白いものを貰ったからお前にやる。いたずらに使え(笑)」といって渡された、いわゆる粗品をいれる“のし箱”に入っていたそれが、フリクションボールの3色セットでした。


ヘイコー 箱 のし箱 ペン1本 赤棒 2.4x16x2.4cm 10枚

後日、記念品を配っていた某ゼネコンの担当者に話を聞く機会がありました。担当さん曰く、数ある記念品のなかでも、フリクションボールはとても人気があるんだそうです。

受け取った方も珍しがってくれるし、営業担当としては渡すところで話のタネにもなるしと、ここぞという時の粗品(単価は高いからね…)のレパートリーとして重宝しているとのことでした。

たしかに、こうしてブログのネタにもなったし…担当さんの言ってる通りかも。

「サラリーマン」カテゴリ参加中!

↑この記事いいね!と思ったらクリックお願いします。