キャリアアップ

先日、社会保険関係の講習会に出席してきました。その中で、ハローワークの方が「キャリアアップ助成金制度」について宣伝、もとい案内していたんですよ。

簡単に言うと「従業員の待遇を改善するなら補助金出すよ!」と、国が金銭的にサポートしてくれるという趣旨の制度だそうで。その助成についての条件をざっと見てみると、現時点でうちの会社でも対象になりそうなものがあるじゃないですか!

「貰う物は夏も小袖」じゃないけれど、そりゃ頂けるものは頂いておきたい。せっかくお上が面倒をみてくれると言ってくれているのだし、これは申請するしかない!

と思ったら…この制度って中小企業に助成する気、本当にあるの?(いや、ない)

キャリアアップ助成金制度

キャリアアップ助成金とは…

有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった「非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップ等を促進する」ため、正社員化、人材育成、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度(厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークリーフレットより)

キャリアアップ助成金(厚生労働省)

非正規の社員を正社員に登用したり、スキルアップのための職業訓練を受けさせたり、賃金を増額させたり、健康診断を充実させたり…といったような企業の取組に対して、国が一部を助成してくれるというものです。

平成29年度4月時点で、その助成内容(助成金を受けるためのコース)は全部で8つ。昨年度までは3つのコースだけだったのが、対象範囲がより幅広くなったのだそうです。

うちはいわゆる中小企業なので、毎年多くの採用があるわけでもなし。社員の育成だとかキャリアアップだとか、そういったものとは、正直縁が薄いと言わざるを得ません。

ですが、どこかで起こってるらしい「景気回復」の影響は少なからずあり、労働者の賃金は年々確実に上がっています。特に有期契約・季節雇用の従業員に顕著です。事務員の給与もついでに頼みます。バブル来い。

景気回復

そんなわけで昨年度・今年度と、一部の職種の賃金規定が2~4%ずつ上がっていたところでした。これは、キャリアアップ助成金のコースのうちの一つ「賃金規定等改定コース」の条件に該当しそうです。その条件とは「全て、または一部の有期契約労働者の基本給の賃金規定等を2%以上増額改定した場合」です。

世の中の流れの中で、多少なりとも待遇改善されてきた我が社。それが知らず知らずのうちに助成金対象だったなんて、お天道様は見てくれているんだなあ。ありがてえ、ありがてえ。

さて、さっそく申請して助成金ゲットだぜ!

ところが、そこまでのハードルが思いのほか高く…というか、うちの場合は既に助成金を得るためのチャンスを逃していたという、なんとも悲しい事実に気づくのです。

キャリアアップ助成金の大前提“キャリアアップ計画書”

計画

この助成金を受けるためには、事前に「キャリアアップ計画書」というものを作成・提出しておかなければいけなかったんです。当然、うちはそんなものは出していません。

「賃金規定等改定コース」の助成条件は先ほどお話しした通り「賃金規定等を2%以上増額」なのですが、助成を受けるにはそれだけでは足りません。あくまでも労働者の”キャリアアップのための賃金増額”であることが求められます。

お国が奨励しているのは、単なる待遇改善ではなくキャリアアップ。対象従業員の知識を高めたり、訓練によって技能を身につけさせたりした結果として、キャリア(経歴)を高めようという趣旨のようです。

結果として賃金アップという待遇改善があったとしても、それが事前の計画に沿ったものでなければ評価されないということですね。

まあたしかに、賃金の増額だけで助成金を受けられるとなると、それはすなわち「国が会社に代わり賃金を上乗せしてくれる」ということに他なりませんので、言いたいことはわかるんですが…

キャリアアップ計画書の概要

キャリアアップ助成金の活用にあたっては、労働組合等の意見を聴いて次のようなことを定めた計画書を作成しなければなりません。

  • キャリアアップ計画期間
  • キャリアアップ計画期間中に講じる措置の項目(助成コースの選択)
  • 対象者
  • 目標(人材育成を講じる場合、訓練後に期待されるスキルや能力、その達成状況に応じた処遇の在り方)
  • 目標を達成するために講じる措置
  • キャリアアップ計画全体位の流れ

もしこれらの計画に途中で変更等があれば、追加で変更届を提出する必要があります。さもなくば、受給資格を失ってしまいます。

そして、これらの計画を6か月にわたって遂行してのち、晴れて支給申請手続きをすることになります。

キャリアアップ助成金の支給申請概要

支給申請にはさらなる数多くの書類を提出しなければなりません。

  • キャリアアップ助成金支給申請書
  • Ⅲ賃金規定等改定コース内訳
  • 支給要件確認申立書
  • 支払方法・受取人住所届
  • 賃金について規定されている労働協約または就業規則
  • 処遇改善前の賃金規定等(写)
  • 処遇改善後の賃金規定等(写)
  • 対象労働者の賃金規定改定前及び後の労働条件通知書等(写)
  • 対象労働者の賃金台帳等(写)
  • 対象労働者の出勤簿またはタイムカード(写)
  • 中小企業事業主であることを確認する書類
  • その他

なんだか、リストを見ているだけで気が遠くなってしまいそう。

こういった書類・手続きに全てOKが出て初めて、めでたくキャリアアップ助成金を受け取ることができます。その準備から支給を受けられるようになるまで、多くの労力と時間がかかるのがおわかりいただけたでしょうか。

賃金規定等改定コース 助成額

そして、最も気になるのは助成額がいくらになるのかですが…

うちが該当するかもといっていた「賃金規定等改定コース」の場合、ここまでやって、その助成額は「1人当たり14,250円(※)」です。

諦めました。本当にありがとうございました。

※対象労働者が11人~100人の場合。生産性の向上が認められる場合は1人あたり18,000円に増額。

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